クーペグラス?フルートグラス?シャンパンを楽しむのはどっち?
クープグラス?フルートグラス?シャンパンを楽しむのはどっち?
フランスシャンパーニュ地方のシャンパンやイタリアヴェネト州のプロセッコなどのスパークリングワイン用のグラスには、細長いフルートグラスや幅広のクープグラスがあります。
あまりにも形状が違うので、なぜこれほど違うのかと疑問に感じる方も多いかもしれません。どっちで飲むのが正解なのでしょうか?
クープグラスの歴史
18世紀のフランス貴族の間で使われたことで急速に流行し、このクープグラスは社交界で一躍有名になりました。当時流行のシャンパンと女性らしいセクシーなクープ型グラスで貴族の華やかなパーティーにまさにぴったりと合致したのでしょう。この組み合わせはヨーロッパ社会でしばらく続きます。シャンパンのグラスの形状を考察する様になるのはもう少しあとの時代のようです。
華やかなパーティーの為のクープ型グラス
クーペグラスの最大の特徴は華やかな演出性ということでしょう。パーティーでシャンパンを飲む際、給仕達は素早くグラスに注ぐことができ、そして、炭酸も早く消えるので安心して会話を楽しむことができます。もし、パーティー会場でゲップしてもしたら、貴族達にとってはそれこそ一大事です。
考えてみると、日本でもホテルでの宴会では、瓶ビールで、小さなグラスを使うことが多いのは、同じ理由かもしれません。
クープグラスの衰退
パーティーシーンを牽引してきたシャンパン用クープグラスも1950年頃にはフルートグラスが主流となってきます。きめ細やかな泡をしっかりと持続させることで、シャンパン本来の味と喉越しを堪能できるという機能的部分が優先されてきました。このシャンパンの特色をいかに最大限引き出すかという傾向は、現在は主流となっています。
アメリカで大活躍のクープグラス
アメリカの禁酒法が解禁された1930年代。上流階級のニューヨーカーの間では、ジンやウォッカなどのスピリッツブームが起きていました。バーテンダーは、従来のカクテル(マティーニ)グラスより、もっと華やかなグラスはないかと探していました。あの三角の形をしたカクテルグラスは持ち運びをするパーティーシーンには不向きなのです。そして、衰退しつつあったヨーロッパのクープグラスに行き着き、再び脚光を当てたのです。
今では、クープグラスでマティーニやマルガリータを、エレガントで、セクシーなスタイルもよく見かけるショートカクテルスタイルのひとつです。
現代の主流フルートグラス
1950年代から徐々にシャンパングラスとしての地位を確立したフルートグラス。その特徴はその機能美です。シャンパンの泡をグラスの中でしっかりとホールドし、その泡と味わいを長い時間楽しむことができるよう設計されています。そして、機能だけでなく、そのスキニーでエレガントなスタイルが、シャンパンそのものの美しさを表しているようにも見えます。やはり、シャンパンには、美しさが寄り添う必要があるようです。
チューリップ型や白ワイン用グラスの台頭
フルートグラスの機能性は、その機能性ゆえ、さらに進化させる動きがこの10年の間にみられます。チューリップ型は、フルートグラス同様、泡を長くホールドしながらも、シャンパンの表面積を広げることで、アロマをより多く感じられるように設計されています。
また、近年、ワイン研究家の中には、白ワイン用のグラスの方が、シャンパンをさらに楽しめるという方もいます。時代とともに、グラスの形状も変わっていきます。
*注:シャンパンは、産地がシャンパーニュ地方に限定されますが、普段の会話ではいわゆる発泡性ワイン総称として使う方が多いので、文中ではあえてシャンパンとしました。 |
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