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日本で買えるおすすめフランスチーズ5選&レシピ

日本で買えるおすすめフランスチーズ5選&レシピ

チーズはフランスの誇り

フランスを代表する食品と言えば、真っ先に名前が挙がるものの一つがチーズです。フランス全土のあらゆる土地でチーズが生産されており、その種類はざっと1200を超えます。

それぞれのチーズには生産地の名前が付けられ、それを見ればフランスのどこで作られたのかが一目でわかります。また、牛、山羊、羊のどの乳を使うのか、ハードタイプなのかソフトタイプなのか、などその土地土地の特徴が生かされたチーズは、フランスの人々に愛され、また誇りになっています。
今回は、そんな数あるチーズの中から、フランスで人気が高く、かつ日本でも手に入れやすいチーズを5種類、レシピとともにご紹介します。

#1 フランスチーズを代表する「カマンベール」( Camembert )

フランスチーズと言えばまず名前が挙がるのがカマンベール。牛の生乳を使った白カビタイプのソフトチーズとして、日本で最も身近なフランスチーズではないでしょうか。

やわらかい外皮となめらかで繊細な舌触りの食感、ほどよい塩気が乗ったクリーミーな味わいはフランスでも大人気で、常にチーズの人気ランキング上位3位に名を連ねます。

もともとはノルマンディー地方のカマンベール村で生まれたこのチーズは世界中で愛され、また生産されていますが、純正のカマベールチーズには「カマンベール・ド・ノルマンディーAOC」のラベルが付与されています。

~レシピ「鶏のカマンベールソース」~

フランスではチーズをそのままいただく他、ソースにして肉やパスタにかけることもよくあります。チーズのソースと言うとかなりこってりしたものを想像しそうですが、このカマンベールソースは意外なほどしつこさを感じません。

鶏肉はむね肉でももも肉でも、お好みのものをお選びください。このレシピではフランスで最も手に入れやすいマッシュルームが使われていますが、エリンギなど、どちらかというと香りが強くないきのこで代用できます。また、シブレットはチャイブとも呼ばれるごく細いねぎの一種で、あさつきで代用することができます。

材料(4人分)
・カマンベールチーズ 直径11cmのものの約¼
・鶏肉 4人分(むね肉の場合2枚程度)
・玉ねぎ 1個
・マッシュルーム 400g
・バター 40g
・生クリーム 150ml
・イタリアンパセリ 適量
・シブレット 適量

作り方
1. 鶏肉は塩こしょうする。玉ねぎはみじん切りにする。マッシュルームは1/4大に切る。カマンベールチーズは外皮を削り取る。
2. 鍋にバター20gを溶かし、玉ねぎとマッシュルームを強火で5分~8分火を通したら塩、こしょうする。
3. 2を鍋から取り出し、温かいまま取っておく。
4. 残りのバターを鍋に入れ、鶏肉の両面を焼く。焼けたら3同様、温かいまま取っておく。
5. 鍋に生クリームとカマンベールチーズを入れ、弱火でチーズを溶かす。
6. 皿に鶏肉とマッシュルームを盛り付け、5をかける。好みのサイズに切ったパセリとシブレットを上からふりかけ飾る。

#2 使い勝手&消費量ナンバーワン「エメンタール」( Emmental )

スイスのエメンタール地方が原産の牛のチーズですが、現在ではフランスのあらゆる場所で生産されていることから、その人気のほどがうかがえます。アニメ『トムとジェリー』に出てくるような、穴の空いた見た目が目印です。

人気の理由は、なじみやすいマイルドな味。ほんのりした酸味とやわらかな塩味のバランスが良く、香りはフルーティです。ヘーゼルナッツに似た香りを感じることもできます。

味にクセがないので、そのままはもちろん、料理にもとてもよく使われます。そのため、フランスでは使いやすいさく状に切られたものや、すでにおろしてあるものがパックに入ってスーパーで売られています。

~レシピ「エメンタールとサーモンのケーク・サレ」~

エメンタールはサーモンのように味の主張が強い魚ともよく合います。手軽に作れるので、アペロのおつまみにも。

レシピで使用しているエルブ・ド・プロヴァンスは、南仏プロヴァンス地方の料理によく使われるハーブのブレンドです。代表的なハーブはローズマリー、タイム、マジョラム、オレガノ、バジル、セイボリーなどですが、ブレンドに決まりはありません。

材料(6人分)
・エメンタールチーズ 100g
・生サーモン 250g
・卵 3個
・生クリーム 200ml
・小麦粉 150g
・ひまわり油などの植物油 100ml
・ベーキングパウダー 10~15g
・エルブ・ド・プロヴァンス 適量
・塩、こしょう 適量

作り方
1. ボウルに卵を割り入れ溶きほぐし、小麦粉、ベーキングパウダーと混ぜ合わせたら塩、こしょうする。
2. 1に生クリーム、ひまわり油などの植物油を混ぜ合わせる。
3. 生サーモンは細切れにし、エルブ・ド・プロヴァンスとともに2に混ぜる。
4. 3の生地を冷蔵庫で15分休ませる。
5. 4をパウンドケーキ型などに流し入れ、180℃に予熱したオーブンで45分焼く。
6. 粗熱が取れたら食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておく。

 

#3 熟成期間によって違う味わいが楽しめる「コンテ」( Comté )

コンテもまた、フランスで根強い人気を保つハードタイプの牛のチーズです。スイス国境に接するフランシュ=コンテ地域圏で作られるコンテは、ツンとした酸味や塩味を感じず、ほのかな甘味もありバランスの取れた風味なので、食べやすいチーズと言えます。

たいてい、お店には6カ月、12カ月、18カ月、24カ月など異なる熟成期間のコンテが置かれていて、熟成期間が短いほど香りはフレッシュでフルーティ、軽い風味になります。

熟成期間の違うコンテを買って、ヘーゼルナッツ、くるみ、オレンジ、焼いた玉ねぎや栗など様々な形容がされるコンテの香りの違いを楽しむのも一興です。

~レシピ「じゃがいもとコンテのグラタン ベルモット風味」~

じゃがいもと玉ねぎで作るシンプルなグラタンには、コクのあるコンテなどのチーズがとてもよく合います。

このレシピは、炒めた玉ねぎにベルモットを加えるのが特徴です。ベルモットは白ワインにハーブやスパイスを加えて作ったフレーバード・ワイン。複雑にからみあった風味がグラタンの味に奥行きを与えてくれます。ベルモットの代わりに通常の白ワインを使ってももちろん美味しくできます。

付け合わせにはルッコラなど、香味の強いハーブが良い口直しになるのでおすすめです。

材料(6人分)
・コンテチーズ 100g
・じゃがいも 1㎏
・玉ねぎ 3個
・にんにく 1かけ
・イタリアンパセリ 3本
・生クリーム 400ml
・バター 20g
・ベルモット(白) 100ml
・塩、こしょう 適量

作り方
1. 玉ねぎはみじん切りにし、バターを溶かした鍋で焦がさないように炒める。
2. 1に塩、こしょうを加え、みじん切りにしたパセリの葉を加え混ぜ炒める。
3. 2にベルモットを加え、10分ほど煮詰めたらひと混ぜし、玉ねぎがカラメル色になるまで5分~10分そのまま火にかける。焦げそうなときはその都度混ぜる。塩、こしょうする。
4. じゃがいもは皮をむき、3mm程度の薄切りにする。
5. 耐熱皿ににんにくの切り口をこすりつけ、バター(分量外)をぬる。
6. 耐熱皿にじゃがいもの薄切りを敷き詰め、一つめの階層を作る。
7. 6の上に3の一部を薄く均一にかける。
8. 6と7を繰り返し、じゃがいもが一番上の階層になるように敷き詰めたら、生クリームを上からかける。
9. 180℃に予熱したオーブンで8を30分焼く。
10. 9におろしたコンテチーズを均一にふりかけ、さらに15分焦げ目がつくまで焼く。

#4 サンドイッチの人気具材でもある「ブリー」( Brie )

ブリーはパリにほど近い地域で作られるソフトタイプの白カビチーズです。見た目がカマンベールに似ていますが、直径11㎝程度のカマンベールに比べブリーは直径約30㎝以上。ブリーはサンドイッチの具材としてもよく使われますが、このサイズ感がバゲットで作るサンドイッチにはちょうど良いのかもしれません。

なめらかな食感にほどよく塩味が効いていて、わずかに苦味を感じることもありながら、同時に牛乳のミルキー感も楽しめるチーズです。

~レシピ「ブリーと牛生ハムのクロック・ムッシュ」~

通常のクロック・ムッシュには豚肉で作られたいわゆるハムが使われますが、こちらのクロック・ムッシュは味に深みのある牛肉の生ハムがよく合います。また、パンは雑穀の入ったタイプがパンチの効いた他の食材との味のバランスを取ってくれます。 

風味づけに使っているピマン・デスペレットはバスク地方エスペレット特産の唐辛子。刺すような辛味ではなく、丸みのあるやさしい辛さで、ほのかに甘味も感じられます。こちらはお好みの唐辛子で代用ができますが、あまり辛さを利かせすぎない方がそれぞれの食材の味を楽しめます。

小さな玉ねぎのような見た目のエシャロットはややにんにくのような風味があるので、玉ねぎで代用する場合は少しにんにくを足すとさらにエシャロット本来の味に近づけることができます。

材料(4人分)
・ブリーチーズ 125g
・穀物パン 8切れ
・牛生ハム 16枚
・エシャロット 2個
・ミントの葉 6枚
・バター 20g
・塩 適量
(チャツネ用)
・お好みの赤いベリー系ジャム(いちご、ラズベリー、ダークチェリー、カシス、ブルーベリーなど) 125g
・赤ワインビネガー 大さじ1
・ピマン・デスペレット 1つまみ
・バター 15g

作り方
1. まずチャツネを作る。エシャロットは細かいみじん切りにし、バターを溶かした小鍋で焦げないように5分炒めたら塩をふる。
2. 1にジャム、赤ワインビネガー、ピマン・デスペレットを加え、混ぜながら2分~3分沸騰させる。これでチャツネのできあがり。
3. 牛生ハムを4枚のパンに均等に乗せる。その上に薄切りにしたブリーチーズ、チャツネを広げ、みじん切りにしたミントの葉をふりかけたらもう一枚のパンを重ね、サンドイッチにする。
4. フライパンにバターを溶かし、サンドイッチの両面を中のチーズが溶けるまでこんがりときつね色に焼く。

#5 個性的な味わいで世界中にファンの多い「ロックフォール」( Roquefort )

羊乳から作られる青カビチーズ、ロックフォールはフランス南西部に位置する現在のオクシタニー地方アベイロン県で生まれたチーズです。

羊乳と青カビの組み合わせから作られるロックフォールの香りはとても力強いですが、対照的に質感は非常にしっとりとして、口に入れるとバターのようにこっくり、なめらかです。そこにシャープな塩味と青カビ独特の風味が加わり、ロックフォールならではの個性的な味わいが口の中に広がります。

実は数あるフランスチーズの中でも、最も外国への輸出量が多いのがこのロックフォール。独特な個性だからこそ、それを求める人が多いのでしょう。

~レシピ「ロックフォールといちじくのサブレ」~

ロックフォールととても相性が良いいちじくを合わせた、手軽に作れるサブレです。塩味と甘味のバランスが絶妙で、アペロにもぴったり。また、キリっと冷えた辛口の白ワインのお供にもどうぞ。

いちじくの果実感をより楽しみたい方は、少し大きめにいちじくをカットしてみてください。

材料(作りやすい分量)
・ロックフォールチーズ 50g
・パルメザンチーズ(すりおろし) 50g
・乾燥いちじく 50g
・小麦粉 50g
・バター 50g

作り方
1. バターは室温に戻しておく。いちじくは細かく刻む。
2. 1にロックフォールチーズ、パルメザンチーズ、小麦粉を加え混ぜる。
3. 2を直径3~4cm程度の棒状にまとめ、クッキングシートなどに包んで冷蔵庫で1時間冷やす。
4. 3を4~5mm厚さの輪切りにする。
5. 4をクッキングシートの上に間隔を空けて並べ、180℃に予熱したオーブンで15分焼く。

まとめ〜フランスの食文化を担うチーズ

フランスで一番消費される乳製品はチーズだそうですが、この国では幼稚園の時から給食にチーズが登場します。

しかも、それは子ども向けのチーズ加工品ではなく、生産地の名前がついた本格チーズ。さらには、前菜から始まって主菜、その後にチーズが出されてデザートで締めくくられます。

このように、小さなころから少しずつ自国の食文化に慣れ親しんでいくフランスの子どもたちが、大きくなってからもチーズを愛するのはごく自然なことのように思えます。また、チーズを通じていろいろな町や村の名前も覚えていくのでしょう。

フランスのチーズを手に取った際は、ぜひその名前から広がる土地のイメージも丸ごと味わいたいものです。

  

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 吉田裕美子

フランス・ノルマンディー地方の小さな町、ヴェルノン在住。フランスの人々の「楽しむ」精神に触発されて、日々料理すること、食べることに喜びを見出しています。最近、フランスの食まわりについてのブログ「マリアージュの国、フランスのおいしい食卓」を始めました。

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